平成30年2月3日(土),群馬県総合教育センターにて奈良市立一条高等学校校長の藤原和博氏を講師に迎え,「10年後,君に仕事はあるのか?」〜未来を拓く「情報編集力」の育て方,磨き方〜の講演を聞きました。
ぐんま教育フェスタというイベントの一環としての特別講演で,同センターで一番大きな講堂で行われました。ほぼ満席という感じでした。
あまりにショッキングな演題でしたが,藤原氏の新刊のタイトルでした。
ダイヤモンド社から発行の同書表紙には,タイトルの他に以下のように書かれています。
“未来を生きるための
「雇われる力(エンプロイアビリティ)」
人工知能,グローバル化,
就活の地殻変動・・・
仕事が消滅していく社会で
「稼げる大人」になる,
シンプルかつ強力な対処法。”
当日配布された資料には,校長を務める奈良市立一条高等学校の講堂改修のための寄付のお願いも掲載されていました(詳細は,同校の
Webページをご確認ください)。
講演終了後には,退場の拍手もほどほどに,出口付近まで急いで移動し,同書にサイン入りで手売りしていました。私が講堂を出た時には,既にかなりの人数が並んでいました。
さて,講演の内容ですが,歌手「さだまさし」さんの話から入り,アクティブ・ラーニングを意識させるのか? 隣の方とブレイン・ストーミングをする場面がたびたびありました(ちなみに私の隣は教員ではない30代男性でした)。
講演資料には,以下の内容がありました。
- インターネット社会で,仕事もネット内で処理されることでなくなる可能性がある。
- 20世紀は「正解」のある“みんな一緒”の成長社会だったが,21世紀は「正解」がない「納得解」が求められる“それぞれ一人一人”の成熟社会になるという。そこでは,かつて求められた情報処理力ではなく,「つなげる力」(情報編集力)が求められる。
- この100年で人生の長さが倍になった(3世代の「人生のエネルギーカーブ」の違いとして,明治時代を生きた世代を「坂の上の雲形」,昭和平成を生きる世代を「富士山型(一山主義)」,君たちの世代を「八ヶ岳型(連峰主義)」を紹介していた)。
- どんな人でも,「正しく」努力すれば100万人に1人の存在になれます(20代の1万時間で左足の軸をつくり,30代の1万時間で右足の軸をつくり,さらにもう1万時間をかけてできるだけ遠くに踏み出し,三角形の頂点をつくって「大三角形」を形作る)。
講演を聞いて,教員がトークとチョークの「講義型」の授業でこれからの社会を生き抜く生徒は育てられないと再確認しました。講演の中で「データサイエンティスト」という仕事が登場しましたが,データを正しく分析できる人が求められているようです。
最近,「統計」にちょっとはまっている私としては,我が意を得たりという感じです。
この講演を,いろいろな形で生徒たちに還元していきたいと思います。
はるばる,群馬の地までおいでいただいた藤原和博先生に敬意を表します。