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2016/01/08

第3学期教務主任講話

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第3学期の始業式後の教務主任講話にて以下の内容を話しました。

本年度最後の講話ということで,今まであまり話したことのないのですが,私自身の高校時代についてもちょっと触れながら,年度末に向けた話をみなさんにしたいと思います。

私は東毛地域の男子校の出身ですが,入学と同時に陸上部に入部しました。
後にインターハイに出場する同級生もいましたが,私自身は大したことありませんでした。

連休や長期休業には,近くの男女共学校と練習することがたびたびあったのですが,私はその男女共学校の一つ上の先輩との交流からいろいろなことを学びました。

先輩ですから私よりタイムが良いのは当たり前ですが,一緒に走るとたまには勝つこともできたので,私にとっては身近な目標でした。

その先輩とのエピソードを一つ紹介します。

夏休みの合宿も終わりが近づいてきてきたある日。午後の練習を始める時に,疲れが蓄積してきたこともあり,つい,
「あ〜あ,練習か。だるいですよね」
と,一言つぶやいてしまいました。その時先輩が,
「ふざけんじゃね〜よ。これからみんな一生懸命に頑張ろうという時に,そんなこと言うんじゃねえよ」
と,大きな声で怒鳴りました。

私はすぐに,「すいません」と謝るしかありませんでした。

その後,先輩は怒ることもなく,黙々と練習に励んでいました。
たったこれだけのことですが,先輩の背中を追いながら,「俺も頑張らなければ」と思いました。

陸上に限りませんが,運動部の練習はとても厳しいものです。
しかし,厳しい練習を積み重ねたからこそ,強くなれるのです。

今日は話をしませんが,みなさんにいつも話している3つのポイントのなかに,「学校を休まない」があります。
「高校生は学校へ来るのが仕事なんだから」なんていう時もあります。

みなさんにとって,「仕事」とは何でしょう?

人と仕事の関係を考える時に,英語で表現すると分かりやすいかも知れません。
仕事のことを英語でなんと言いますか?

そう,“job”です。みなさんの中にはアルバイトをしている人も多いですが,アルバイトは英語で,“part time job”と言います。そう,短い時間の“job”という訳です。

“job”とは,報酬のためにはたらくことをいいます。

みなさんのアルバイトは,まさしくこれかも知れません。
報酬のためと考えれば,なるべく働かないで給料がいっぱいもらえるように効率的な仕事の仕方を身に付けるかも知れません。

アルバイトをやっているみなさんは,
自分の高校時代の貴重な時間を現金にかえているだけです。

では,仕事はお金を稼ぐためだけにするのでしょうか?

その仕事を通して,“自分が向上している“と実感できる仕事もあります。
こういう仕事を“career”と言います。

また,仕事に社会的な意義を見いだし,この仕事は自分に与えられたギフトのように感じる場合もあります。
日本語では「天職」といいますが,こういう仕事を“calling”と言います。

"job"  が  "career" になり  "calling" になる。
このように同じ仕事をしていても,仕事の意味が自らの成長に沿って修正されていくことがあります。これを,ジョブ・クラフティング(job crafting)と言います。

就職する人,進学する人,さまざまですが,みなさんはいずれ働くことになります。

みなさんが自ら選んだ仕事がどんな仕事かは分かりません。
しかし,後になって,「この仕事を選んだことは正しかった」と思えるように,このジョブ・クラフティングを心がけなければなりません。

冒頭の高校時代の先輩は,黙々と練習に励む背中で,「今,頑張る」ことがとても重要だということを教えてくれました。

みなさんは今,何を頑張りますか?
がんばれるものを見つけてください。

18:00 | トラックバック(0) | 講演
2015/09/11

市内中学校での進路講演会

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勤務校の市内で中学3年生(約200名)を対象とした親子進路学習会が開催されました。
当日は,公立2校(進学校と本校)および私学2校が参加し、各校15分の持ち時間で順に話をしました。


概要は以下の通りです。

当日は、高校生の進路(就職)状況ということで話をしました。

まず、高等学校を卒業する生徒のうちどれくらいの割合が就職するか?
と質問しました。

昨年度末の速報によると、4人に一人しか就職していません。
大学への進学がおよそ50%なので、残り25%は短期大学と専門学校になります。

本校の生徒の就職状況はおよそ55%という状況です。
ちなみに、市内の工業高等学校はおよそ7割、商業高校はおよそ4割という状況です。
 

このような状況を考えると、保護者のみなさんが抱いている、特に専門高校のイメージは、昔は職業高校と異なっているということです。その点を是非確認していただきたいと思います。


進学校に限らず、どこの高等学校へ入ろうと、「進学するチャンスがある」ということです。

ですから、保護者のみなさまには、お子さんが「進学したい」と申し出ときに、送り出せる環境、具体的には経済的な準備を是非していただければと思います。


金銭的な問題はご家庭でそれぞれだと思いますが、もちろん国公立か私立かということで、具体的には国公立は私大よりもやすいし、理系は文系よりも高額になるのは確かです。しかし、同じ分野であれば大学も短大も専門学校もそれほどの違いはないのです。

後は下宿するか自宅から通うかで決まります。


高校の話を聞きに来たのに、卒業後の話になってしまい申し訳ありませんでしたが、高校を選ぶということはそういうことなのです。

つまり、高校を卒業した後にどのような人生を歩もうしているのか?

その夢の実現を果たすためには自分にはどういうことが必要なのかを十分に考えて、進学する高校を選ぶ必要があるのです。


保護者のみなさまにとっては、本校は前進の農業高校のイメージが強いかもしれませんが、校名が変更されて20年以上、総合学科になって10年が経過します。

それでは、総合学科の話をさせていただきます。
本校の総合学科の特徴は、勉強する分野、これを「系列」と呼んでいますが、入学後にそれらを選べるということです。

農業系の系列が4つ、福祉分野に関する系列と生活分野に関する系列の6つの系列があります。選べる系列に限りはありますが、入学後に半年をかけて、自分ですべてを体験したうえで選べるというのは生徒にとってもとてもよいことです。

実際、1年生の後半から専門の系列に進むとみんな一生懸命勉強し、ミスマッチも少ないと思います。実際、退学する生徒も少なくなっています。

系列の詳細を説明する時間はありませんが、大まかにいって作物や野菜、バイオテクノロジーなどの勉強をするのが「いのち系列」、草花の栽培やフラワーアレンジなどの勉強をするのが「花系列」、食品に関する勉強をするのが「食科系列(食品の食にサイエンスの科学で食科です)」、情報処理や商業の勉強をするのが「経済系列」で、この4つが教科「農業」の系列になります。
「福祉系列」は、介護福祉士の国家試験の受験資格をとれるコースと看護士などになることを考えて、体について勉強しようという生徒が入ってきます。
介護福祉士は、通常専門学校へ行ってとる資格なので、高校生でとるには実習や補習などが結構大変です。しかし、先ほどの話にあったように進学するとなるとかなりに金額が必要となりますので、高校でとれるというのはすごい魅力的だと思います。この福祉系列の介護福祉コースのみ厚生労働省の認定校としての定員が30名なので、30名という定員があります。
最後に被服や手芸、調理などの生活について勉強するのが「生活系列」です。最近は保育士や幼稚園教諭を目指す生徒が多くなっています。このコースも2年生の夏休みに幼稚園や保育園で2週間のインターンシップを行っており、実績を上げているところです。

短時間での紹介のため、疑問点等あるかと思います。
詳細は、配布された学校案内やWebページでご確認ください。また、ご不明な点はお問い合わせいただければと思います。

学校の普段の様子を見学できるようオープンキャンパスを10月24日(土)に開催しますので、是非来場していただければと思います。
また、11月28日(土)には興陽フェスタというイベントを行い、シクラメンの販売のほか、各種イベントを行っています。その際学校説明会も同時に開催しておりますので、そのような機会もご利用いただければと思います。

本日は貴重なお時間をありがとうございました。

17:00 | トラックバック(0) | 講演
2015/09/01

平成27年度第2学期始業式での教務主任講話

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本日は,平成27年度第2学期の始業式でした。
教務主任講話の原稿は以下の通りです。


夏休みも終わりました。どんな夏休みだったでしょうか? 

第2学期がみなさんにとって有意義な学期となることを期待します。

 

具体的には、3年生は進路決定、2年生には修学旅行、1年生は系列決定という大切な選択やイベントが待っています。

 

さて,始業式の教務主任講話は、前半はほぼ同じ内容の繰り返しです。覚えていますか?

「授業で赤点を取らないためのエッセンス」と言っていますが、信頼を勝ち得ることにつながる3つのポイントです。

・学校を休まない。

・約束を守る。

・ハードルをクリアする。

つまり,いるべき時にその場所にいる。今日から新学期ですが,課題提出の期限は守れますか? 

授業中,先生が示した目標をしっかりとクリアしましょう。

 

さて、新年度が始まってから,6月に公職選挙法が改正され,今まで選挙は20歳から投票できましたが,来年6月からは18歳以上が投票できるようになりました。

つまり,3年生と2年生のうち18歳以上になった人は,来年の参議院選挙から投票に行くことができるのです。

では,みなさんは,どの立候補者,どの政党に一票を投じるのでしょうか?

みなさんの一票で政治が変わるかも知れません。責任をもって投票したいものです。

 

その答えになるかどうかは分かりませんが,次の話を聞いてください。

 

昨年度は丸山眞男生誕100年ということで,ちょっと難しかったのですが,「無責任の体系」とか「抑圧の移譲」という話をしました。

無責任の体系とは、「我こそ戦争を起こしたという意識が、どこにも見当たらない。何となく、ずるずると国を挙げて戦争に突入した」ということでした。

 

終戦の日は昭和201945)年815日ですから,今年は戦後70年にあたります。
原田眞人監督の「日本の一番長い日」という映画が上映されました。

主演の役所広司は,私の大好きな俳優さんの一人ですが,作品の中で陸軍大臣阿南 惟幾(あなみ これちか)を演じました。
始めた戦争を終わらせるために,陸軍強硬派と牽制しあいながら鈴木貫太郎首相を支えたのです。

 

この役所広司が,開戦70年記念映画の「聯合艦隊司令長官山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」で主人公の山本五十六を演じました。

映画の中で,山本は一貫してアメリカとの戦争を回避しようと努力しました。

海軍は三国同盟に反対していましたが,それはドイツと同盟を組むことでアメリカとの戦争は避けられないとの見方があったからです。


76年前の今日,1939年9月1日ドイツ軍がポーランドへ侵攻して第二次世界大戦が勃発します。

みなさんも知っているとおり,後に三国同盟を締結し,アメリカとの戦争が始まりました。

 

昭和161941)年128日に日本は真珠湾攻撃を行うわけですが,くしくもその司令官が山本五十六です。

開戦後も,日本の有利な状況を作り早期に和睦をしようと努力しますが,実りませんでした。


山本は昭和181943)年4月に前線視察に行く途中で撃墜され,戦死しました。

 

この太平洋戦争で,日本では300万人を超える軍人,民間人の戦没者がいました。

開戦から終戦までのおよそ48ヶ月のちょうど真ん中頃に山本は戦死しました。

山本戦死までの24ヶ月で戦没者はおよそ30万人,山本戦死後に270万人を超える方々が戦没しました。

 

日本中が戦争への勝利を信じて道を邁進しようとしていた時代に,現実を冷静に分析していた姿勢がうかがえます。

映画のなかで,物事は目と耳と心で見なさいということをジェスチャーで示す印象的な場面があります。

 

目と耳は,真実をしっかりと見聞きしなさいということで,みなさんが勉強することでその視野や見聞を広げられると思います。

心は,感情や正義にしっかりと照らしなさいということで,みなさんがいろいろな人や地域との係わりの中で自らの感受性を高められると思います。

 

みなさん自身が,目と耳と心で見て,すばらしい2学期にしてくれることを期待しております。


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2015/04/08

平成27年度第1学期始業式での教務主任講話

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本日は,平成27年度第1学期の始業式。
始業式はいつものとおり,講話があります。少々時間が押していましたが,以下の講話を行いました。

新年度を迎え,みなさんは今どんな目標を考えていますか?
「今年度はこんなことを頑張ろう」という目標をぜひ設定しましょう。

学期の始めの教務主任講話では,いつも3つのお願いをしています。

「授業を休まない」・・・授業を大切にするということです
「約束を守る」・・・・・・・提出物の期限を守ったり,生徒と教師という関係もルールを守ることで良好になります
「ハードル(授業の目標)をクリアする」・・・授業でわからなかったら質問したり,復習したりして,しっかりとその日の内容を理解することです

これらのことがしっかりと実践できれば決して赤点を取らないと思うのですが,
みなさんはどう思いますか?

年度末の成績不振者指導で,この3点を確認したら,きちんと答えられました。
つまり,言葉ではわかっているのに,それを実践できない。なぜでしょうか?
勉強しなくても誰も厳しく注意しないからでしょうか?

「戒律」という言葉があります。
戒めるという漢字の「戒」と,法律や規律の「律」という漢字を二つ続けて戒律といいます。

後者の「律」ですが,これは罰則のある規範を表しています。
国に憲法や法律があるように,学校には校則があります。
興陽高校では遅刻すると,遅刻マラソンがあります。

遅刻マラソンをはじめた当時,遅刻は激減したそうです。
今は遅刻をする人はかなり少なくなり,生徒の1/3が皆勤賞を取ろうかという学校になりました。
このように,規則で他律的に縛ることも場合によると必要かも知れません。

一方,前者の「戒」ですが,これは規律を守ろうとする自己の内面からおこった心のことをいいます。
そこには,よりよい自分になるために,規律を積極的に守っていこうという心です。

交通ルールは,ルールを守ることで自分自身の身が守られると良く言われます。
みんなが規則を守ることで,他人への思いやりのある心地よい社会が作られるのだと思います。

「戒律」という言葉は,「戒」が先にあります。
つまり,厳しい罰則があるから守るのではなく,規律を守ろうとする自分の心が大切だから
「戒」が先にあるのではないでしょうか。

授業の時,おしゃべりしたり,居眠りしたりしたくなることもあるでしょう。
スカートを折って短くしたいと思う人がいるかも知れません。
学校の内外で,高校生としてふさわしくない誘惑があるかも知れません。

その時,「でも,私はしません。」という選択を自らする。
みなさんのその気持ちがとても重要なのです。
他人に嘘はつけても,自分自身に嘘をつくことはできないのです。

午後には新入生を迎えます。
みなさんが,新入生の手本となるような学校生活を送ることを期待します。


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2015/03/19

親子進路学習会でのお話

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勤務校の市内で中学2年生(約200名)を対象とした親子進路学習会が開催されました。
当日は,近隣の進学校と本校の2校の参加がありましたが,生徒の希望数の多い学校ということで依頼されました。

事前にお話しいただきたいと与えられたテーマは,

生徒一人ひとりが主体的に進路を決定するにあたっての心構え」(20分程度)です。


当日用意した原稿は以下のとおりです。


本日は,お招きいただきまして誠にありがとうございます。

 

本日のテーマは,「生徒一人ひとりが主体的に進路を決定するにあたっての心構え」ということで,20分程お話させていただきます。

 

一昨日,後期選抜の合格発表がありました。この時期に親子進路学習会が設定されているのは,2年生が「次は自分たちだ」と決意するにはとてもよい日程だと思います。

 

さて,本校はお陰様で後期選抜の倍率が高かったこともあり,合格発表の様子がNHKのほっとぐんま640で放送されました。見た方はいますか?

合格した受検生の数名がインタービューを受けていましたが,そのなかで,「看護師になりたいので一生懸命勉強します」と抱負を述べていました。

 

例えば,看護師になるには普通高校へ行き,高等看護学校を受験するという方法もあります。もちろん,他の専門高校でも受験できますが,興陽高校では「福祉系列」の勉強をして介護福祉士の国家資格をとってから看護学校に進学すれば,介護にも看護にも対応できる看護師になることもできます。

 

先ほどの看護師を目指す生徒はどのようにして将来を見据えたのでしょうか?

 

中学2年生では,チャレンジ・ウィークで就業体験をしたと思います。

何をやられましたか?

発表会もあったと思いますが,そこでどのようなことを感じましたか?

 

本校でも,2年生の夏休みに9日間のインターンシップを行っています。

生活系列の生徒は幼稚園や保育所で体験を行い,福祉系列の生徒は介護施設で実習を行っています。他に,農業関係系列の生徒は農家さんにいったりもしています。

自分が将来どのような職業に就きたいのかをしっかりと考える必要があります。

話は変わりますが,中学生に話をする時,「高校を選ぶ」ということは「人生を選ぶ」ということだと言っています。

ちょっと大げさに聞こえるかも知れませんが,高校は学校によってかなり違うのです。

 

高校は大きく分けて三類の学科があります。それは,

・普通科

・専門科

・総合学科 です。

 

普通科は,中学校までの学習をより深める普通教育の学習を行います。

大学等の進学を意識した時に,まず考える学校だと思います。

普通科へ進学するということは,3年間進学に向けた勉強をするということです。卒業後どのような専門分野へ進むかは,進路先を決定する過程で決まります。希望大学に合格できない場合は,受かった大学に行くか,浪人するかです。

 

専門科は,農業・商業・工業・情報・福祉などに関する専門教育を行う学科です。

普通教科の他に,それぞれの専門科目の学習があります。興味関心がマッチすれば,とても面白い勉強ができます。

 

一つ注意していただきたいのは,保護者のみなさまが高校生の頃と,今の専門高校とは違うということです。保護者のみなさんの頃の専門高校の卒業生の多くは就職したかと思いますが,現在は四年制大学をはじめ短大・専門学校への進学者が多くなっており、伊勢崎市内の専門高校ではおよそ6~7割が進学しています。
 

総合学科は,平成6年にできた新しい学科で,普通科・専門科に続く第3の学科として登場した学校です。本校も平成17年に総合学科になりました。

総合学科は,自分の適性や進路に応じた時間割を自分自身で作る単位制の学校です。

本校の詳細は時間があれば後ほどお話しします。

保護者の方に気をつけていただきたいのは,専門高校や総合学科へ進学したからといって,その先の学校へ進学する場合も十分あるので,そのための準備をしっかりとしておいて欲しいということです。

 

冒頭,「高校を選ぶ=人生を選ぶ」と言いましたが,入った学校が自分に合うか合わないかは,自分の性格なども考慮する必要があります。

例えば,高校にはその学校独特の文化がありますので,そういうものも考慮する必要があります。

 

一般に日本の高等学校の指導は,「『しぼる』と『しばる』」に分けられると言います。

大学進学を考えた時に,一般入試で進学しようと思えば,進学校に進学する以外ありません。そのため,生徒はすさまじい量の学習を強いられるのです。これが「しぼる」です。

 

一方,「しばる」とは,校則で「しばる」のです。

本校も頭髪等女子のスカート丈等かなり厳しく指導していますが,学校生活に向かわせるためにも厳しく指導しています。

 

例えば,あまり知られていないかも知れませんが,本校では遅刻をすると,「遅刻マラソン」というのがあります。もちろん,電車遅延したり,通院したりした場合は免除します。このマラソンを実施するようになって,遅刻が激減したのです。

普通に生活していれば遅刻はしない訳ですし,「遅刻マラソン」があっても遅刻をしなければ問題ないのです。そういう意味からも,今後も「遅刻マラソン」は続けるべきだと思うし,「本校の文化」だと思っています。


先ほどいいましたが,学校にはそれぞれ文化があります。専門用語で「hiddencurriculum」といいますが,それぞれの学校には,「こういう生徒になって欲しい」という意識があるのです。

 

どこの高校もそうですが,最も大切なことは「集中して授業に取り組む」ということです。進学校であろうが無かろうが,授業が最も大切な時間です。そして,その授業に堪えられるかどうかを入試で選抜しているのです。希望者が多くなれば,そのレベルが若干上がり,希望者が少なくなればレベルは若干減るかもしれません。


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2015/03/18

親子進路学習会でのお話

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本日,勤務校の市内の中学校から,中学2年生(177名)とその保護者を対象に,親子進路学習会を行うので話をしていただきたいというので伺いました。

校長先生とは群馬県総合教育センターでご一緒に勤務させていただいたこともあり,学習会の前後も楽しく過ごせました。

用意した原稿は以下のとおりです。

本日は,親子進路学習会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。

本日,話して欲しいとリクエストいただいている内容は次の通りです。 

高校生の生活全般について

将来の進路と高校選択について

中学生として心がけるべきこと

高校側が望む生徒像とは

総合学科について

保護者及び生徒からの質問事項(入試について)

なるべく全体をカバーしたいと思いますが,抜けてしまう部分があるかも知れません。最後に質問の時間を設けますので,そちらでお願いします。

 

昨日,後期選抜の合格発表がありました。

毎年この時期にこの会を設定されていますが,2年生が「次は自分たちだ」と決意するにはとてもよい日だと思います。

 

また,いつも感心しておりますが,本会の資料は本人・保護者のみなさまにとってすばらしい資料だと思います。とても良く作り込まれています。ぜひ熟読して欲しいと思います。

 

まず,私が中学生に話をする時にいつも言うことは,「高校を選ぶ」ということは「人生を選ぶ」ことだということです。

ちょっと大げさな感じに聞こえるかも知れませんが,高校は学校によってかなり違うと言うことです。


高校はいろいろな種類がありますが,大きく次の三学科があります。それは,

・普通科

・専門科

・総合学科 です。

 

普通科は,中学校までの学習をより深めた学習を行います。大学等の高等教育機関への進学を考える時,まず考える学校だと思います。
三角形の面積は(底辺)×(高さ)÷2ですが,底辺が大きくなればその面積は大きくなります。普通教育はそのベース(底辺)を広げる学習に他なりません。

 

専門科は,農業・商業・工業・情報・福祉などに関する専門教育を行う学科です。

普通教科の他に,それぞれの専門科目の学習があります。興味関心がマッチすれば,とても面白い勉強ができます。

保護者のみなさまが高校生の頃は,専門高校への卒業生の多くは就職していたかと思いますが,現在は四年制大学をはじめ短大・専門学校への進学者が多くなっており、伊勢崎市内の専門校校でも6~7割が進学しています。

 

総合学科は,平成6年にできた新しい学科で,普通科・専門科に続く第3の学科として登場し,現在全国で366校,本校も平成17年に総合学科になりました。

総合学科は,自分の適性や進路に応じた時間割を自分自身で作る単位制の学校です。

冒頭,「高校を選ぶ=人生を選ぶ」と言いましたが。

入った学校が自分に合うか合わないかは,自分の性格なども考慮する必要があります。例えば,高校にはその学校独特の文化もありますので,そういうものも考慮する必要があります。

 

一般に日本の高等学校は,「『しばる』と『しぼる』」に分けられると言います。

つまり,大学進学を考えた時に,一般入試で進学しようと思えば,進学校に進学する以外ありません。そのため,生徒はすさまじい量の学習を強いられるのです。これが「しぼる」です。

 

一方,しぼれない学校は,校則で「しばる」のです。

本校も頭髪等女子のスカート丈等かなり厳しく指導していますが,学校生活に向かわせるためにも厳しく指導しています。

 

例えば,あまり知られていないかも知れませんが,本校では遅刻をすると,「遅刻マラソン」というのがあり,もちろん,電車遅延したり,通院したりした場合は免除します。こういう話を聞いて,「これって体罰」ではないかと思う方がいるかも知れませんが,このマラソンを実施するようになって,遅刻が激減したのも事実です。

普通に生活していれば遅刻はしない訳ですし,「遅刻マラソン」があっても遅刻をしなければ問題ないのです。そういう意味からも,今後も「遅刻マラソン」は続けるべきだと思うし,「本校の文化」にしたいと思っています。

 

同僚の話で,こんな話があります。

あるご家庭で,双子の生徒の一人が進学校,もう一人が専門高校に進学しました。

進学校での三者面談で保護者からこう言われたというのです。

「進学校に進んだ姉は一生懸命に勉強しても3や4なのに,専門校に進学した妹は試験前にちょっと勉強するだけで5です。どうして高校から渡される通知表がこんなに違うのですか」と聞かれたそうです。この両方の高校に勤めた同僚は,「そういうものなんです」と答えるしかできなかったそうです。

 

この例は,専門高校が楽だからこちらが良いという意味で言っているのではありません。

 

高校によって求められているものが違うということです。

学校は,それぞれ文化をもっています。専門用語で「hiddencurriculum」ともいいます。それぞれの学校には,「こういう生徒になって欲しい」という見えざる意識があるのです。

 

具体的には,どこの高校でもそうだと思いますが,「まじめに授業に取り組む」ということです。それは,高校に限らず授業がとても重要だということです。その授業に堪えられるかどうかを入試で選抜しているのです。

 

それでは,あらかじめ質問のありました内容に回答したいと思います。

 

入試についてですが,本年度は志望者が多く,前期選抜は100名募集のところ265名,後期選抜では100募集の所165名の志願者がいました。特に後期選抜は合格発表の掲示がありますので,悲喜こもごもです。65名もの不合格者がいる現実,掲示板を掲示しながら胸が痛くなりました。

 

合格した生徒100名には,不合格になった多くの受検生の思いを胸に一生懸命勉強するよう指導したいと思っています。不合格者が多くいるということは,当然合格のボーダーラインも上がります。具体的な数字は言えませんが,例年であれば合格するだろうと中学校で思っていた生徒の中にも,合格できなかった生徒が多かったのではないかと思います。

 

欠席・遅刻等の数と合否の関連に関する質問もありましたが,選抜の基準につては明確に回答できません。ただ,「遅刻マラソン」を行っているくらいですから,遅刻の多い生徒よりは遅刻しない生徒の方が本校の生徒にふさわしい生徒であることははっきりしています。

 

また,欠席についても同様で,多いよりは少ない方が良いに決まっています。ただ,病気やケガ,中には不登校という場合もありますので,そういう点も総合的に判断しないとならないと思います。

 

中学校から高校に入る時,入試もありますし,環境もがらっと変わります。

本校での就学の見込みさえあれば,だれにもチャンスはあります。ただ,倍率もありますし,そういった点を総合して判断しなければならないところが入試のつらいところです。

 

みなさんの聞きたい内容全てに答えられなかったかも知れませんが,疑問点は遠慮なくご質問ください。


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2015/01/26

群馬県高校生ステップアップ・サポート事業に係る公開授業

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本日,県内の高等学校で行われた「高校生ステップアップ・サポート事業に係る公開授業」に出席した。
この事業は,文部科学省の指定を受けたもので,「生徒の地平に立った新しい授業感に基づく授業改善の研究〜学び合い活動(協同学習)による言語活動の充実と評価の工夫〜」を研究主題とした実践研究の成果を発表する場であった。

5校時(12:50〜13:40):公開授業「国語総合」
本事業の現場で中心である先生(高校時代の恩師,後述)の国語の授業を参観した。
この時間帯は,自由に移動して参観できましたが,1教室で過ごし,1時間の流れを見させていただいた。
小説の1場面を小さなホワイトボードに絵として書き出すという実践が行われた。
絵の上手い下手があるかも知れないが,文章を視覚化(ノンバーバルで表現する)するという訓練は,言語活動の充実においては重要な視点だと感じた。描いた絵を全体で確認した後,再度グループ(4人一組)に戻って検討して,再度全体でレビューをするなど授業で行うべき作業が確実になされていたという印象をもった。
ただ,アクティブ・ラーニングでは,「一斉」・「協同」・「個別」のバランスもとても重要と思うが,「個別」の部分は生徒の能力が大きく影響してしまうのも事実である。サボれるような状況にあってもサボらず,授業を深められる学習集団をつくっていかなければ,形だけをまねした協同学習になってしまうかも知れない。

6校時(13:50〜14:40):研究授業「日本史A]
参観者が多いため,特別教室に机を持ち込み擬似的に教室に見立てて授業が行われた。
既成地主や成金の誕生に関わる部分であったが,A3用紙に書かれた課題(A〜Cの3題)を3つずつの班で考えそれを発表する方法で行われた。
A〜Cの資料にはそれぞれ導き出したいテーマを含む図などが示されている。
例えば,Aに置いては物価が上昇している状況と実質賃金が目減りしていることが分かる図から,人々の生活が苦しくなっていくという考え方を引き出そうとしている。
各班が確認できた内容をA3用紙に書き出し,それを黒板に掲示して発表させた後に各班に戻り深めるという内容であった。相談の時間をしっかりと確保していたこともあり,授業の最後が時間が足りなくなってしまい,尻切れトンボになってしまった。

(15:00〜16:35):研究協議
県教委の指導主事や本事業に関係した学校の校長も来賓として出席されていたので,それらの先生方での感想等が述べられた。
また,学校側で用意した本事業に関する成果発表のプレゼンの後,群馬大学の濱田教授による指導講評が行われた。
現に予定終了時刻を押してしまっていたが,外部から参加した方々から質問や感想を述べる時間が無かったのは大変残念であった。来賓等の発言者が多い場合,ある意味仕方の無いことかも知れないが・・・。

群馬県では,来年度から全ての学校でこのステップアップ・サポート事業を実施すると歯票している。学校の体制としてどのように取り組んでいるのかなど,もう少し聞きたい方もいたのではと感じた。

個人的な感想になるが,協同学習では,「静かに見ている生徒」をどのように評価するかが大切だと思う。
つまり,自分なりに考えているのか?,それとも単に傍観しているのか?
私たち教師は,目の前の生徒が,「実質的に学んでいるのかどうかの確認する」場面を意識してつくる必要があると思う。それを怠ると,時間だけが過ぎていく中で,何も考えない生徒を置き去りにしてしまう。
考えているとき,発言した内容をどのようにして拾うかはとても重要な問題で,「記録」係をつくらないと,発言内容の収集は無理かも知れない。
授業の中で,以下に生徒に考えさせるかを念頭に置きながら授業を組み立て,学習させる時間をしっかりと確保しなければならない。
その際,個別のプリントに記入するのか? 全体のプリントにするのか? をしっかりと確認し,協同で作成した場合はその成果物を,各自の資料としてフィードバックできるよう教師の工夫も必要になると思う。
研究授業は時間の関係もあり,3つのテーマを別々のグループで発表させる形態をとった。これでは,3つ課題のうち1つの課題しか学習できない。例えば授業の構成を工夫して,ジグソー法などを使って,3つの課題について全てを学べるような工夫が必要かも知れない。

公開授業では,高校時代の恩師の授業を参観した。30年以上の年月を経て50分間懐かしい声を聞きながら当時の授業と比較しながら参観した。思い出として多少美化されているかも知れないが,「当時の授業は通常の一斉授業ではあったが,それなりに教師と生徒のやりとりがあった」ように思う。あえてグループ学習をしなくても,一斉授業でそれなりに双方向の授業が確保できる学校においては,いつも「協同学習」ではなく,必要に応じて実施するなど生徒の実態に合わせた指導でよいと感じた。

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2015/01/08

第3学期教務主任の講話

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勤務校は,本日平成26年度の第3学期始業式でした。

毎学期始業式で「教務主任講話」として話をしています。

本日の内容は以下の通りです。


明けましておめでとうございます。
みなさんにとってどんな冬休みだったでしょうか?

お正月を挟みましたので,楽しかったこともいろいろあったと思います。

さて,
今日から第3学期です。
3学期ががみなさんにとって有意義な学期になることを期待します。

3年生は卒業が目前に迫っています。
2年生はいよいよ進路を決める一年となります。
1年生は系列も決まり,いよいよ後輩ができます。


始業式の教務主任講話は、毎回同じ内容の繰り返しています。

“授業で赤点を取らないためのポイント”を3つ紹介しています。

・学校を休まない。

・約束を守る。

・教師が設定した目標(ハードルと言っていますが)をクリアする。

 
3学期はまとめの学期で,とても短いので集中して取り組みましょう。

さて,今回も1冊の本をもってきました。
これも古典ですが,梅棹忠夫著『知的生産の技術』です。
1983年7月24日に読了しているので,読んでからすでに30年が経ちました。

この本は,中学校の先生から大学一年の夏休みに紹介されてすぐに読んだ本です。その時に「勉強の仕方を学びなさいよ」と指導していただきました。

この本の“はじめに”に,以下の内容が書かれています。
「今日,学校においては,先生が教えすぎるのである。親切にあまりにも親切に,何でも間でも,教えてしまうのである。そこで学生は,教えてもらうことになれて,自らまなぶことをしらない,ということになってしまう。・・・(中略)・・・学校では,ものごとをおしえすぎるといった。それとまったく矛盾するようだが,いっぴうでは,学校というものはひどく「おしえおしみ」をするところでもある。ある点では,本当におしえてもらいたいことを,ちっともおしえてくれないのである。どういうことをおしえすぎて,どういう点をおしえおしみするか。かんたんにいえば,知識はおしえるけれど,知識の獲得のしかたは,あまりおしえてくれないのである。そのことは,中学・高校ばかりか,ざんねんながら学問の府であるところの大学においても,おなじである。」

知識を得るだけなら,インターネット上で学べます。
試しに,検索窓に「gacco(ガッコ)」と入力してみてください。
日本初のMOOC(大規模オープンオンライン講座)として学べます。
私も現在,「
インタラクティブ・ティーチング」という受講していますが,結構勉強になります。

今みなさんにとって重要なことは,「誰にとっても,生涯にわたって学び続けることの必要性がますます大きくなり,そのための基礎となる力をこの興陽高校で学んでいるという自覚です。

特に就職するみなさんは,興陽高校が最後の教育機関になるかも知れないのです。
今学んだ知識だけで,このグローバル化した社会を今後50年以上勉強しないまま過ごせるはずはありません。

社会に出たら,いろいろと勉強する必要が出てくるのです。しかも給料と直結するので,資格に合格しないと給料が上がらないということもあります。
社会に出た時に,自分でちょっと調べればできるようにしておくことが大切なのです。
そのための勉強を,今,この興陽高校でしているのです。

試験前に学習時間調査では,学習時間のちょうど真ん中の生徒のデータがおよそ100分です。社会に出た時に困らない力を付けるためにも,毎日机に向かう習慣を身に付けて欲しいと思います。

勉強すると,分からないことがどんどん増えてしまいますが,それらに対する興味や関心が高まり,勉強がどんどん楽しくなってきます。ただ,その「分かる」や「楽しい」になるまでは努力と我慢が必要で,残念ながら途中でドロップアウトしてしまう人が多いのです。

勉強はみなさん自身のためになっているという自覚をしっかりともち,日々過ごしてもらえればと思います。みなさんの今後に期待しています。


お気づきの点がありましたら,こちらのページからお寄せください。


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2014/12/16

公開LHRに参加して

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本日,県内の高等学校で開催された公開LHRを参観しました。
単元は,「ディベート」で,①「救急車の有料化について」,②「ゴミの有料化について」について議論されました。
クラスをA~Fの6グループに分け(5~6人/班),対戦が2グループ,進行が1グループ,ジャッジが3グループに分けられ,KHRとして実施していました。
ディベートは20分で行われ,以下のようなフォーマットになっていました。
〇紹介・・・・・・・・・・・2分 
〇肯定側立論・・・・・3分:メリットの重要性とその発生過程を説明
〇否定側質疑・・・・・2分:発生過程と重要性に関する質問
〇否定側立論・・・・・3分:デメリットの深刻性と発生過程の説明
〇肯定側質疑・・・・・2分:発生過程と重要性に関する質問
〇作戦タイム・・・・・2分
〇否定側反駁・・・・・2分:メリットの重要性とその発生過程に関する反論
〇肯定側半額・・・・・2分:デメリットの深刻性と発生過程に関する反論
〇ジャッジ・・・・・・・2分

クラスによるディベートが伝統になっているようで,この日の4校時・5校時(参観授業)が終了後,クラスでベストディベーターを選出し,来年1月に8名(各クラス1名)のベストディベーターが2年生チームと対戦するという。

授業に先立ち,テーマ調べを1時間しかとっていなかったが,追加の時間については自主的に昼休みや放課後を活用していたようである。インターネットを主体とした調査であったが,基本的な内容は押さえていた。また出典についても多くの資料でしっかりと記入できていたのが良かった。

今回,現任校(総合学科)で教養に関する系列を作りたいと考えていることから,ディベートをアクティブラーニングの一つとして位置づけられないかを把握しようと思い参加した。
実際,授業を参観して,指導者側のスキルアップは当然必要となるが,「これからを生きる生徒にとって必要なスキル」であると実感した。学校設定教科の中の必須コンテンツとして位置づけたい。

なお,本出張に際して,事前調査した本(望月和彦著『ディベートのすすめ』ゆうひかく選書pp4-14,伊勢崎市立図書館所蔵)では,「ディベートの意義」として以下の6点あげていたので紹介したい。
1 なによりも面白い
2 コミュニケーション技術の錬磨
3 論理的思考の鍛錬
4 社会問題への理解
5 判断力と知識は別物
6 多様性の社会における価値判断

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2014/11/14

和田孫博氏(灘中学校・高等学校校長)の講演

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本日,私立灘中学校・高等学校校長の和田孫博氏の講演を聞く機会がありました。
本講演会は,平成26年度(公社)群馬県不動産鑑定士協会が主催し,一般公開講演会として,エテルナ高崎で14:30〜16:30開催されました。

中教審初等中等教育分科会高校教育部会の委員でもある同氏が,どのように学校経営されているのかを聞きたくて,午前中出張(産業教育フェアの進路フォーラム)の後に年休をとり参加しました。

講演は,「グローバル社会を生き抜く人材育成」で,副題は,灘校が考える“子どもの伸ばし方”でした。

冒頭,「グローバル社会」の説明の部分では,日本においても英語を意識する必要であり,Speakingやlisteningも大切だが,英語でジャーナルを読んだり,プレンゼンテーションできることが大切という話から始まった。

グローバル人材の要件として,「異文化コミュニケーション力」をあげ,まっとうな中等教育を行うべきであると訴えていた。
・異文化を理解するには,自国文化への理解と尊敬が必要
・中等教育での教養が大切
・協同で課題解決に努力する力(自分にない個性から学ぶ)

灘校創設の顧問は嘉納治五郎であり,その教えである「精力善用」・「自他共栄」が灘高の校是になっており,自由な精神とともに現在に受け継がれているという。

「自由は山巓の空気に似ている。どちらも弱い者には耐えることができない」といわれていたのが印象的だった。
制服はなく,明文化された校則もなく,唯一の基準は「灘中生・灘校生らしく」ということらしい。
校歌の一節に,「校是に心の鏡を磨き」という一説があるそうだが,行動基準も勉強法も自ら考えることをモットーにしているという。

中等教育は人間の基礎づくりということで,「知」・「徳」・「体」のバランスが大切と訴え,親離れと子離れを勧めていたのが,印象的であった。

また,教員にも自由をという校風があり,「銀のさじ」の指導で有名な橋本先生は決して特別な先生ではないという。
「授業は真剣勝負」・「生徒の好奇心をくすぐる創意工夫」・「自主編成教材を作成する」など,先生と生徒の間も自他共栄だと指摘する。

また,中1から高3まで,学年団が持ち上がるので,横の絆・教員と生徒の絆が作られるという。このシステムは,教師も責任をもって指導するという意識を植え付けるのでとても良いという話だった。

大学進学の実績につい目が行きがちな灘校であるが,「大学合格が最終目標ではない」とはっきりと宣言していた。それは,「有名大学合格だけでは将来が約束されない」,「大学では受け身の姿勢では何も学べない」,「知識量が尊ばれるのは大学入試まで」だという意識からである。

そして,「自ら課題を探して解決する姿勢」,「自分の意見をしっかり伝える能力」,「専門教育に堪えうる教養を身につけよう」とまとめていた。

中等教育では基礎力と幅広い教養を身につけうことがとても大切であることを再確認できた。

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