本日は,平成27年度第2学期の始業式でした。
教務主任講話の原稿は以下の通りです。
夏休みも終わりました。どんな夏休みだったでしょうか? 第2学期がみなさんにとって有意義な学期となることを期待します。
具体的には、3年生は進路決定、2年生には修学旅行、1年生は系列決定という大切な選択やイベントが待っています。
さて,始業式の教務主任講話は、前半はほぼ同じ内容の繰り返しです。覚えていますか?
「授業で赤点を取らないためのエッセンス」と言っていますが、信頼を勝ち得ることにつながる3つのポイントです。
・学校を休まない。
・約束を守る。
・ハードルをクリアする。
つまり,いるべき時にその場所にいる。今日から新学期ですが,課題提出の期限は守れますか?
授業中,先生が示した目標をしっかりとクリアしましょう。
さて、新年度が始まってから,6月に公職選挙法が改正され,今まで選挙は20歳から投票できましたが,来年6月からは18歳以上が投票できるようになりました。
つまり,3年生と2年生のうち18歳以上になった人は,来年の参議院選挙から投票に行くことができるのです。
では,みなさんは,どの立候補者,どの政党に一票を投じるのでしょうか?
みなさんの一票で政治が変わるかも知れません。責任をもって投票したいものです。
その答えになるかどうかは分かりませんが,次の話を聞いてください。
昨年度は丸山眞男生誕100年ということで,ちょっと難しかったのですが,「無責任の体系」とか「抑圧の移譲」という話をしました。
無責任の体系とは、「我こそ戦争を起こしたという意識が、どこにも見当たらない。何となく、ずるずると国を挙げて戦争に突入した」ということでした。
終戦の日は昭和20(1945)年8月15日ですから,今年は戦後70年にあたります。
原田眞人監督の「日本の一番長い日」という映画が上映されました。
主演の役所広司は,私の大好きな俳優さんの一人ですが,作品の中で陸軍大臣阿南 惟幾(あなみ これちか)を演じました。
始めた戦争を終わらせるために,陸軍強硬派と牽制しあいながら鈴木貫太郎首相を支えたのです。
この役所広司が,開戦70年記念映画の「聯合艦隊司令長官山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」で主人公の山本五十六を演じました。
映画の中で,山本は一貫してアメリカとの戦争を回避しようと努力しました。
海軍は三国同盟に反対していましたが,それはドイツと同盟を組むことでアメリカとの戦争は避けられないとの見方があったからです。
76年前の今日,1939年9月1日ドイツ軍がポーランドへ侵攻して第二次世界大戦が勃発します。
みなさんも知っているとおり,後に三国同盟を締結し,アメリカとの戦争が始まりました。
昭和16(1941)年12月8日に日本は真珠湾攻撃を行うわけですが,くしくもその司令官が山本五十六です。
開戦後も,日本の有利な状況を作り早期に和睦をしようと努力しますが,実りませんでした。
山本は昭和18(1943)年4月に前線視察に行く途中で撃墜され,戦死しました。
この太平洋戦争で,日本では300万人を超える軍人,民間人の戦没者がいました。
開戦から終戦までのおよそ4年8ヶ月のちょうど真ん中頃に山本は戦死しました。
山本戦死までの2年4ヶ月で戦没者はおよそ30万人,山本戦死後に270万人を超える方々が戦没しました。
日本中が戦争への勝利を信じて道を邁進しようとしていた時代に,現実を冷静に分析していた姿勢がうかがえます。
映画のなかで,物事は目と耳と心で見なさいということをジェスチャーで示す印象的な場面があります。
目と耳は,真実をしっかりと見聞きしなさいということで,みなさんが勉強することでその視野や見聞を広げられると思います。
心は,感情や正義にしっかりと照らしなさいということで,みなさんがいろいろな人や地域との係わりの中で自らの感受性を高められると思います。
みなさん自身が,目と耳と心で見て,すばらしい2学期にしてくれることを期待しております。