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2015/03/18

親子進路学習会でのお話

Tweet ThisSend to Facebook | by:kawashima
本日,勤務校の市内の中学校から,中学2年生(177名)とその保護者を対象に,親子進路学習会を行うので話をしていただきたいというので伺いました。

校長先生とは群馬県総合教育センターでご一緒に勤務させていただいたこともあり,学習会の前後も楽しく過ごせました。

用意した原稿は以下のとおりです。

本日は,親子進路学習会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。

本日,話して欲しいとリクエストいただいている内容は次の通りです。 

高校生の生活全般について

将来の進路と高校選択について

中学生として心がけるべきこと

高校側が望む生徒像とは

総合学科について

保護者及び生徒からの質問事項(入試について)

なるべく全体をカバーしたいと思いますが,抜けてしまう部分があるかも知れません。最後に質問の時間を設けますので,そちらでお願いします。

 

昨日,後期選抜の合格発表がありました。

毎年この時期にこの会を設定されていますが,2年生が「次は自分たちだ」と決意するにはとてもよい日だと思います。

 

また,いつも感心しておりますが,本会の資料は本人・保護者のみなさまにとってすばらしい資料だと思います。とても良く作り込まれています。ぜひ熟読して欲しいと思います。

 

まず,私が中学生に話をする時にいつも言うことは,「高校を選ぶ」ということは「人生を選ぶ」ことだということです。

ちょっと大げさな感じに聞こえるかも知れませんが,高校は学校によってかなり違うと言うことです。


高校はいろいろな種類がありますが,大きく次の三学科があります。それは,

・普通科

・専門科

・総合学科 です。

 

普通科は,中学校までの学習をより深めた学習を行います。大学等の高等教育機関への進学を考える時,まず考える学校だと思います。
三角形の面積は(底辺)×(高さ)÷2ですが,底辺が大きくなればその面積は大きくなります。普通教育はそのベース(底辺)を広げる学習に他なりません。

 

専門科は,農業・商業・工業・情報・福祉などに関する専門教育を行う学科です。

普通教科の他に,それぞれの専門科目の学習があります。興味関心がマッチすれば,とても面白い勉強ができます。

保護者のみなさまが高校生の頃は,専門高校への卒業生の多くは就職していたかと思いますが,現在は四年制大学をはじめ短大・専門学校への進学者が多くなっており、伊勢崎市内の専門校校でも6~7割が進学しています。

 

総合学科は,平成6年にできた新しい学科で,普通科・専門科に続く第3の学科として登場し,現在全国で366校,本校も平成17年に総合学科になりました。

総合学科は,自分の適性や進路に応じた時間割を自分自身で作る単位制の学校です。

冒頭,「高校を選ぶ=人生を選ぶ」と言いましたが。

入った学校が自分に合うか合わないかは,自分の性格なども考慮する必要があります。例えば,高校にはその学校独特の文化もありますので,そういうものも考慮する必要があります。

 

一般に日本の高等学校は,「『しばる』と『しぼる』」に分けられると言います。

つまり,大学進学を考えた時に,一般入試で進学しようと思えば,進学校に進学する以外ありません。そのため,生徒はすさまじい量の学習を強いられるのです。これが「しぼる」です。

 

一方,しぼれない学校は,校則で「しばる」のです。

本校も頭髪等女子のスカート丈等かなり厳しく指導していますが,学校生活に向かわせるためにも厳しく指導しています。

 

例えば,あまり知られていないかも知れませんが,本校では遅刻をすると,「遅刻マラソン」というのがあり,もちろん,電車遅延したり,通院したりした場合は免除します。こういう話を聞いて,「これって体罰」ではないかと思う方がいるかも知れませんが,このマラソンを実施するようになって,遅刻が激減したのも事実です。

普通に生活していれば遅刻はしない訳ですし,「遅刻マラソン」があっても遅刻をしなければ問題ないのです。そういう意味からも,今後も「遅刻マラソン」は続けるべきだと思うし,「本校の文化」にしたいと思っています。

 

同僚の話で,こんな話があります。

あるご家庭で,双子の生徒の一人が進学校,もう一人が専門高校に進学しました。

進学校での三者面談で保護者からこう言われたというのです。

「進学校に進んだ姉は一生懸命に勉強しても3や4なのに,専門校に進学した妹は試験前にちょっと勉強するだけで5です。どうして高校から渡される通知表がこんなに違うのですか」と聞かれたそうです。この両方の高校に勤めた同僚は,「そういうものなんです」と答えるしかできなかったそうです。

 

この例は,専門高校が楽だからこちらが良いという意味で言っているのではありません。

 

高校によって求められているものが違うということです。

学校は,それぞれ文化をもっています。専門用語で「hiddencurriculum」ともいいます。それぞれの学校には,「こういう生徒になって欲しい」という見えざる意識があるのです。

 

具体的には,どこの高校でもそうだと思いますが,「まじめに授業に取り組む」ということです。それは,高校に限らず授業がとても重要だということです。その授業に堪えられるかどうかを入試で選抜しているのです。

 

それでは,あらかじめ質問のありました内容に回答したいと思います。

 

入試についてですが,本年度は志望者が多く,前期選抜は100名募集のところ265名,後期選抜では100募集の所165名の志願者がいました。特に後期選抜は合格発表の掲示がありますので,悲喜こもごもです。65名もの不合格者がいる現実,掲示板を掲示しながら胸が痛くなりました。

 

合格した生徒100名には,不合格になった多くの受検生の思いを胸に一生懸命勉強するよう指導したいと思っています。不合格者が多くいるということは,当然合格のボーダーラインも上がります。具体的な数字は言えませんが,例年であれば合格するだろうと中学校で思っていた生徒の中にも,合格できなかった生徒が多かったのではないかと思います。

 

欠席・遅刻等の数と合否の関連に関する質問もありましたが,選抜の基準につては明確に回答できません。ただ,「遅刻マラソン」を行っているくらいですから,遅刻の多い生徒よりは遅刻しない生徒の方が本校の生徒にふさわしい生徒であることははっきりしています。

 

また,欠席についても同様で,多いよりは少ない方が良いに決まっています。ただ,病気やケガ,中には不登校という場合もありますので,そういう点も総合的に判断しないとならないと思います。

 

中学校から高校に入る時,入試もありますし,環境もがらっと変わります。

本校での就学の見込みさえあれば,だれにもチャンスはあります。ただ,倍率もありますし,そういった点を総合して判断しなければならないところが入試のつらいところです。

 

みなさんの聞きたい内容全てに答えられなかったかも知れませんが,疑問点は遠慮なくご質問ください。


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