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2015/01/26

群馬県高校生ステップアップ・サポート事業に係る公開授業

Tweet ThisSend to Facebook | by:kawashima
本日,県内の高等学校で行われた「高校生ステップアップ・サポート事業に係る公開授業」に出席した。
この事業は,文部科学省の指定を受けたもので,「生徒の地平に立った新しい授業感に基づく授業改善の研究〜学び合い活動(協同学習)による言語活動の充実と評価の工夫〜」を研究主題とした実践研究の成果を発表する場であった。

5校時(12:50〜13:40):公開授業「国語総合」
本事業の現場で中心である先生(高校時代の恩師,後述)の国語の授業を参観した。
この時間帯は,自由に移動して参観できましたが,1教室で過ごし,1時間の流れを見させていただいた。
小説の1場面を小さなホワイトボードに絵として書き出すという実践が行われた。
絵の上手い下手があるかも知れないが,文章を視覚化(ノンバーバルで表現する)するという訓練は,言語活動の充実においては重要な視点だと感じた。描いた絵を全体で確認した後,再度グループ(4人一組)に戻って検討して,再度全体でレビューをするなど授業で行うべき作業が確実になされていたという印象をもった。
ただ,アクティブ・ラーニングでは,「一斉」・「協同」・「個別」のバランスもとても重要と思うが,「個別」の部分は生徒の能力が大きく影響してしまうのも事実である。サボれるような状況にあってもサボらず,授業を深められる学習集団をつくっていかなければ,形だけをまねした協同学習になってしまうかも知れない。

6校時(13:50〜14:40):研究授業「日本史A]
参観者が多いため,特別教室に机を持ち込み擬似的に教室に見立てて授業が行われた。
既成地主や成金の誕生に関わる部分であったが,A3用紙に書かれた課題(A〜Cの3題)を3つずつの班で考えそれを発表する方法で行われた。
A〜Cの資料にはそれぞれ導き出したいテーマを含む図などが示されている。
例えば,Aに置いては物価が上昇している状況と実質賃金が目減りしていることが分かる図から,人々の生活が苦しくなっていくという考え方を引き出そうとしている。
各班が確認できた内容をA3用紙に書き出し,それを黒板に掲示して発表させた後に各班に戻り深めるという内容であった。相談の時間をしっかりと確保していたこともあり,授業の最後が時間が足りなくなってしまい,尻切れトンボになってしまった。

(15:00〜16:35):研究協議
県教委の指導主事や本事業に関係した学校の校長も来賓として出席されていたので,それらの先生方での感想等が述べられた。
また,学校側で用意した本事業に関する成果発表のプレゼンの後,群馬大学の濱田教授による指導講評が行われた。
現に予定終了時刻を押してしまっていたが,外部から参加した方々から質問や感想を述べる時間が無かったのは大変残念であった。来賓等の発言者が多い場合,ある意味仕方の無いことかも知れないが・・・。

群馬県では,来年度から全ての学校でこのステップアップ・サポート事業を実施すると歯票している。学校の体制としてどのように取り組んでいるのかなど,もう少し聞きたい方もいたのではと感じた。

個人的な感想になるが,協同学習では,「静かに見ている生徒」をどのように評価するかが大切だと思う。
つまり,自分なりに考えているのか?,それとも単に傍観しているのか?
私たち教師は,目の前の生徒が,「実質的に学んでいるのかどうかの確認する」場面を意識してつくる必要があると思う。それを怠ると,時間だけが過ぎていく中で,何も考えない生徒を置き去りにしてしまう。
考えているとき,発言した内容をどのようにして拾うかはとても重要な問題で,「記録」係をつくらないと,発言内容の収集は無理かも知れない。
授業の中で,以下に生徒に考えさせるかを念頭に置きながら授業を組み立て,学習させる時間をしっかりと確保しなければならない。
その際,個別のプリントに記入するのか? 全体のプリントにするのか? をしっかりと確認し,協同で作成した場合はその成果物を,各自の資料としてフィードバックできるよう教師の工夫も必要になると思う。
研究授業は時間の関係もあり,3つのテーマを別々のグループで発表させる形態をとった。これでは,3つ課題のうち1つの課題しか学習できない。例えば授業の構成を工夫して,ジグソー法などを使って,3つの課題について全てを学べるような工夫が必要かも知れない。

公開授業では,高校時代の恩師の授業を参観した。30年以上の年月を経て50分間懐かしい声を聞きながら当時の授業と比較しながら参観した。思い出として多少美化されているかも知れないが,「当時の授業は通常の一斉授業ではあったが,それなりに教師と生徒のやりとりがあった」ように思う。あえてグループ学習をしなくても,一斉授業でそれなりに双方向の授業が確保できる学校においては,いつも「協同学習」ではなく,必要に応じて実施するなど生徒の実態に合わせた指導でよいと感じた。

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